境港市観光協会 会長・水木しげる記念館 館長
★桝田 知身 が選ぶマイベストテン
《 作 品 》
《雅号/ペンネーム》
しょうけらも 覗きためらう 新婚さん
好奇心
屋根の明り取りの窓から中を覗き込む妖怪「しょうけら」も、さすがに甘い新婚さんだと覗くのをためらう。ためらう「しょうけら」の顔を想像するとおかしい。
傘化けが 仲をとりもつ 雨やどり
墨東綺男
ごぞんじ永井荷風の名作「墨東綺譚」の一節。仲をとりもったのが実は妖怪「傘化け」だったとは――。文豪荷風散人、苦笑いしているかも。
境では 神様仏様 水木様
哲弥
水木ロードへの入り込み客は昨年(平成19年)に148万人と大賑わい。境港にとって、文字通り、水木先生は「神様、仏様」である。「神様仏様 稲尾様」と言われたかつての西鉄の鉄腕投手稲尾和久氏は昨年逝去した。
赤ちゃんの 昼寝に家鳴りも 手を止める
御昼寝中
あどけない赤ちゃんの寝顔を見て、「家鳴り」も眠りを妨げないように手を止める。そういう優しさ―――妖怪は怖いところもあるけれど、本質的にはやさしいのだ。
赤ちゃんポスト 奥に光るは 姑獲鳥目
よしのぶ
現代の赤ちゃんポストの“先進地”はドイツで80ヶ所くらいあるそうだが、はたして日本にも定着するかどうか。お産で死んだ女の執念が妖怪化した姑獲鳥の目が怪しく光る。鬼気せまる雰囲気をよく捉えた。
牛鬼にも 但馬の産と 表示する
京の弁慶
妖怪も産地偽装するというところが「偽」の時代風潮を皮肉っておもしろい。それにしても、わが愛する「吉兆」までもが偽装とは。創業者湯木貞一は黄泉の国で泣いているだろう。
付喪神 座右の銘は MOTTAINAI
倹約家
器物も百年たつと妖怪になる。使い捨ての時代から MOTTAINAI の時代へ。ノーベル賞を受賞した ケニヤのワンガリ・マータイにつづいて、水木先生が受賞すれば YOHKAI も世界に認知されるだろう。
ろくろ首 賞味期限が 喉で切れ
ムーピー
食品偽装のうち、賞味期限も大きな話題になった。期限が1日や2日切れたところで、どうということもないような気がするが、家の冷蔵庫で期限切れになるのではなく「喉で切れ」というところがおかしい。風刺がきいている。
脱ダムに 河童はそっと 票を入れ
野上卓
脱ダム宣言で知事に当選した人がいたが、さては、河童の票が当選させたのか。「そっと票を入れ」というところが目立たぬように行動する河童の配慮がうかがえておもしろい。
死神が リストラされる 長寿国
なほぱぱ
日本人の平均寿命は年々のびている。それでなくても「人のよさ」が災いして、実績があがらず、閻魔さまからリストラされる寸前の「死神」にとって、日本は棲みにくい国だろうね。